骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、主に加齢、閉経が原因となり、骨がもろくなり、骨折の危険性が増加する病気です。 そのほか、糖尿病、運動不足、喫煙・飲酒、偏食などの生活習慣病も骨粗しょう症のリスクとして考えられています。
時に、甲状腺や副腎ホルモンなどの異常で生じる続発性骨粗しょう症も隠れており、適切な診断・治療を要します。 骨粗しょう症になると転倒などにより骨折しやすくなるため、寝たきり、要介護状態の原因となります。

日本では骨粗しょう症の患者さんは1300万人以上と推定されています。とくに女性では、50歳代の4人に1人、60歳代の2人に1人、70歳以上では過半数が骨粗しょう症といわれています。
骨密度は、18歳頃の若い時期をピークに、加齢とともに少しずつ減少し、女性は50歳、男性は60歳を過ぎると減少が加速していきます。
女性では、骨粗しょう症は更年期以降に多くなります。女性ホルモンが低下するためです。骨は、絶えず「作られて(骨形成)は壊される(骨吸収)」を繰り返し、新しい骨に生まれ変わっています(骨リモデリング)。

女性ホルモンであるエストロゲンには、骨吸収を抑える作用があります。
閉経によりエストロゲンが減少すると、骨形成<骨吸収となり、骨が溶けてもろくなります。
女性は50歳前後で閉経することが多く、可能であれば骨密度が減る前、40歳代に一度骨密度を測定することをお勧めします。

骨粗しょう症の診断のために、身長測定、骨密度検査、採血(骨代謝マーカー、ビタミンD濃度など)、X線検査などを行います。
25歳時の身長と比べて4cm以上縮んでいる場合は、骨折する危険性が2倍以上高いと言われています。
かわつるん
身長が縮む、背中や腰が曲がり、背中や腰が痛むなどの症状がある方は、ぜひ骨密度検査を受けましょう。
骨密度検査
骨粗しょう症では早期発見と早期治療が重要です。
一般的に行われている、かかとや手の骨の骨密度検査では、骨粗しょう症を早期発見するのが難しい場合があります。かかとや手の骨の骨密度検査を受けて異常がなくても、すでに骨粗しょう症が進行していることが少なくありません。
重症化する前に骨粗しょう症を発見するためには、より精密な検査が必要となります。
そのため当院では、全身用骨密度測定器(DXA法)により腰(腰椎)と太もも(大腿骨)の骨密度を測定します。
腰椎と大腿骨の骨折は、寝たきりや要介護状態と強く関係すると言われています。 骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン、世界中の骨粗しょう症ガイドラインで全身用骨密度測定器が基準測定法として推奨されおり、種類の異なる2つのX線を照射することで、高精度かつ迅速に全身の骨密度を測定することができます。 
この骨密度評価法により、正確な診断、効果的な骨粗しょう症治療、治療効果の判定をすることが可能となります。
採血検査
採血により骨代謝マーカーやビタミンD濃度などを評価します。
骨の新陳代謝(骨形成・骨吸収)のバランス、ビタミンDの不足・欠乏状態を評価することで、骨粗しょう症の診断、予防・治療に生かします。
X線検査
背骨(胸椎や腰椎)の骨折や変形を確認します。
骨粗しょう症の診断や治療開始にあたり重要な検査となります。
骨折リスク評価(FRAX)
FRAXはfracture risk assessment toolの略で、WHOが開発した骨折リスク評価法です。
FRAXは40歳以上の人を対象に、今後10年間の骨折リスクを評価できます。
FRAXは12個のチェック項目で構成された質問表で、ご自身でインターネットによりチェック項目を入力すれば将来の骨折リスクを計算できます。
FRAXの骨折リスクが今後10年間で15%以上(Major osteoporoticの値が15%以上)の方は、受診しましょう。
FRAXの質問項目
1. 年齢
2. 性別
3. 体重
4. 身長
5. 骨折歴
6. 両親の大腿骨近位部骨折歴
7. 現在の喫煙の有無
8. 現在のステロイド服用、あるいは過去3ヶ月以上にわたる服用の有無
9. 関節リウマチの有無
10. 1型糖尿病、甲状腺機能亢進症、45歳未満の早期閉経など、骨粗しょう症を招く病気の有無
11. ビール換算で毎日コップ3杯以上のアルコールを飲酒するかどうか
12. (大腿骨頸部の骨密度*) *なくても計算できます。
骨ドック
当院では骨の検診、骨ドック(自費診療)を行っています。
骨粗しょう症が疑われる場合、また骨ドックの結果より精密検査や治療が必要な場合は保険診療となります
以下の方に骨ドックをお勧めします
• 40歳以上の女性、50歳以上の男性
• 腰や背中が痛い方
• 骨折をしたことがある方
• 若い頃に比べて身長が低下した方
• 痩せている方
• ご家族が骨粗しょう症や骨折既往をお持ちの方
• アルコールをよく飲む方、喫煙する方
• 生活習慣病のある方
• 骨粗しょう症が気になる方
予防と治療
骨粗しょう症の発症には、生活習慣が大きく関与しており、生活習慣病の1つと考えられています。
そのため、骨を丈夫にするには生活習慣の改善、特に食事、運動、日光浴が重要です。骨粗しょう症と診断された場合は、生活習慣の改善に加えて、薬物療法が必要になります。
近年、たくさんの骨粗しょう症治療薬が登場しており、服用方法(飲み薬、注射、点滴)や、その頻度(毎日、週1、月1、半年に1回、年1回)まで様々な選択肢があります。
これまで培った知識と経験をもとに、患者様に最適の治療法を提案させていただきます。専門的な治療によって、骨密度を増やし、骨の質を改善することで骨折の危険性を少なくすることができます。
また、臨床研究グループ「しまねBMD(骨、筋骨格、糖尿病)ラボラトリー」に副代表として参加しており、島根県内の病院と連携して、患者様の健康寿命の延伸を目指した臨床研究を行い、島根から全国にむけて情報発信を行い、医療の質の向上を目指していきます。
かわつるん
骨粗鬆症の治療薬は主に、「骨吸収を抑制する薬」、「骨形成を促進する薬」、「骨の材料を補う薬」、「骨形成を促進・骨吸収を抑制する薬」の4種類に分類できます
詳しくはコチラ